明確な目的のない資格取得

資格取得において最も大事なのは明確な目的を持っているかどうか、です。資格は持っていた方がプラスになるという考え方もありますが、マイナス効果が少なからずあります。

資格取得のマイナス効果その1

 資格マニアと言われるように資格を取得する行為そのものが快感という人も世の中には存在します。しかし、ほとんどビジネスパーソンにとって本来資格というのは、自分の目標・目的を達成するための1つの手段に過ぎないはずです。

資格を取ろうと決めた時点では、その目標が明確で熱い気持ちになっていたのに、資格を取ったときや取得する過程で、その思いも冷めてしまった、こんなことを多くの人が経験していると思います。

このようなパターンの最大の問題は「時間の浪費」です。何か1つの資格を取ろうとすれば、膨大な時間を必要とします。もし、自分にとって本当に必要なスキルがその資格でない場合、本来であればその勉強に費やした時間を使って取得できたはずです。このような機会損失は想像以上に大きいものです。

厚生労働省の教育訓練給付制度(注1参照)が出来た頃、各種資格講座の費用のうち80%を雇用保険から給付されたことがありました。その為、受講者が負担する金額が大幅に減り、多数のサラリーマンやOLがこの制度に飛びつきました。

多くの人たちは「お金」の負担が減るから、という理由だけで受講したのですが、大事なことを忘れていました。それは「お金がタダでも時間はタダではない」ということです。深く考えずに資格取得、講座受講した為に、時間を浪費した人が多かったのです。

もちろん、漫然とテレビを見ている人よりも前向きな姿勢はすばらしいと思います。しかし、何度もいいますが「時間はタダではない」のです。それだけの時間をかけて取得する価値のあった資格なのか、自問してみるとよいでしょう。それが、本当に必要な資格を取るときに役立つはずです。

※注1:教育訓練給付制度とは厚生労働省が実施する働く人の自己啓発や能力開発を支援し、雇用の安定と就職の促進を目的とした雇用保険の給付制度のこと。現在は支払った額の40%もしくは20%相当の金額がハローワークから支給される。

資格取得のマイナス効果その2

時間以外に失うものの代表格が「お金」です。資格というのは試験を受けるのも、講座を受講したり、学校に通うのにもお金がかかります。そもそも転職やビジネスに役立つ資格を取得しようと言う人は20代、30代の人が多いと思います。その年代は特にいろいろとお金がかかり、余裕がないものです。

余裕のない中でお金をどのように使うのか?というのは非常に重要な問題です。趣味系の資格や講座は別として、転職・就職に役立つ資格を取るのであれば、将来そのお金が本当に返ってくるのか(=元が取れるのか)どうか、というのもあらかじめ考えておかないといけません。

世の中には聞いたこともない資格や講座、学校というのが山ほどあります。さらに困ったことに、「こんな資格を持っていても、就職できないし、飯も食えない!」などという話は山ほどあります。もちろん、同じ資格を持っている人でも収入というのは桁が違うというのは良くある話なので、一概に「この資格はだめだ」というようなことは言えませんが。

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